将来が不安なときはどうする?考えを整理する方法
将来が不安なときは、まだ起きていない未来をすべて見通そうとするより、いま頭の中で広がっている考えをいったん書き出して整理することが助けになります。未来は誰にとっても不確実で、すべてを見通せないからこそ不安が生まれます。「自分でコントロールできること」と「できないこと」を分けて、できることに目を向けると、気持ちが扱いやすくなっていきます。いまできる小さな一歩に意識を向けるのもおすすめです。つらさが強く続くときは、専門機関への相談も大切です。
「この先どうなるんだろう」「うまくいかなかったらどうしよう」。まだ起きてもいない将来のことを考えて、不安でいっぱいになることはありませんか。先のことを心配するのは、自分の大切なものを守ろうとする自然な心の働きでもあります。この記事では、将来への不安が強いときに、考えをどう整理していくかを、はじめての方にもわかるように、ていねいにお伝えしていきます。
この記事で整理できること
- 将来が不安になる仕組みと、未来が不確実であること
- 考えすぎ・先読みのクセに気づくコツ
- コントロールできること・できないことの分け方
- いまできる小さな一歩に目を向ける考え方
- 心配ごとを書き出して整理する方法
- 専門機関に相談する目安
そもそも、将来のことはなぜ不安になるの?
将来への不安は、これから起こるかもしれない困りごとに「備えよう」とする、心と体の自然な働きです。
少し意外かもしれませんが、先のことを心配するのは、自分の大切なものを守ろうとしているからこそ起こります。仕事、お金、健康、人間関係。大事に思っているものがあるから、「うまくいかなかったら」と気になるのです。つまり、将来への不安には自分を守ろうとする役割があります。
その一方で、未来は誰にとっても不確実です。どんなに考えても、これから何が起きるかを完全に見通すことはできません。そして、見通せないからこそ不安は生まれます。だからこそ、未来を「すべて見通す」ことよりも、不確実なまま、いまできることに目を向けるという向き合い方が役立ちます。
どうして先のことを考えすぎてしまうの?
将来が不安なとき、わたしたちはまだ決まっていないことを「きっとこうなる」と先読みしてしまいがちです。
これは、心が「最悪の事態に備えよう」とがんばっている状態でもあります。けれども、頭の中だけで先のことを考え続けていると、まだ起きていないことが、まるで決まった未来のように感じられてくることがあります。
たとえば、「来月から新しい仕事が始まる」という出来事ひとつでも、不安が強いと次のように考えが広がっていきます。
| 頭に浮かぶ考え | 不安の大きさ |
|---|---|
| うまくやれるかな | 小さい |
| たぶん失敗してしまう | 中くらい |
| きっと続けられず辞めることになる | 大きい |
このように、まだ決まっていないことを悪い結末まで決めつけてしまうことがあります。まずは「いま自分は先読みをしているかもしれない」と気づくことが、整理の第一歩になります。
詳しく知る:結論の飛躍とは?根拠なく決めつけてしまう考え方のクセ
コントロールできることと、できないことをどう分ける?
将来への不安を整理するときに役立つのが、「自分でコントロールできること」と「できないこと」を分けて眺めることです。
未来の心配ごとをよく見てみると、自分の工夫しだいで変えられることと、自分の力だけではどうにもならないことが混ざっています。たとえば、「準備をどれだけするか」は自分で決められますが、「相手がどう思うか」「景気がどうなるか」は、自分だけでは決められません。
ここで大切なのは、できないことを無理に変えようとしないことです。コントロールできないことに力を注ぎ続けると、不安はなかなかおさまりません。できないことは「いまは手放しておく」と一度わきに置き、できることに目を向けてみてください。それだけで、心の余白が少し生まれることがあります。
いまできる小さな一歩には、どんなものがある?
不安で動けなくなりそうなときは、遠い未来ではなく、「いま・ここでできる小さな一歩」に目を向けてみてください。
将来のすべてを解決しようとすると、課題が大きすぎて身動きが取れなくなります。そんなときは、今日できるくらいの、ごく小さな行動にしぼってみるのがコツです。たとえば、次のようなものです。
- 気になっていることを一つだけ調べてみる
- 必要な準備を、一つだけ始めてみる
- 信頼できる人に、いまの気持ちを少し話してみる
- まずは今日の予定を、一つだけ整えてみる
こうした小さな一歩は、不安を消すためではなく、いまの自分にできることを取り戻すための手がかりです。一歩進めたら、それで十分です。働く人向けのセルフケアの情報は、厚生労働省のポータルサイトこころの耳でも紹介されています。
書き出すと、なぜ将来の不安が整理されるの?
頭の中で渦巻いている将来の心配ごとを、紙やスマホに書き出すと、考えが整理されて扱いやすくなります。
考えは、頭の中にあるあいだは形がなく、同じ心配が何度も巡りがちです。それを文字にして外に出すと、考えが目に見える形になり、少し離れて眺められるようになります。「自分は何を心配しているのか」がはっきりするだけでも、気持ちがすっとすることがあります。
書くときのコツは、うまくまとめようとしないことです。気になっていることを思いつくまま並べ、そのうえで「これは自分でできること? できないこと?」「本当にそうなると決まっているかな」と書き添えてみると、整理が進みます。こうした考えを整理する方法は、認知行動療法のワークとしても紹介されています。
将来の不安が続くとき、相談の目安は?
将来への不安が強く、眠れない・何も手につかないといった状態が続くときや、つらさが長く続くときは、専門機関への相談を考えてみてください。
セルフケアはとても大切ですが、すべてを一人で抱える必要はありません。考えても答えの出ない不安をずっと一人で抱え続けると、心も体も疲れてしまいます。早めに相談することは、自分を守ることにつながります。認知行動療法をはじめとする心理的なアプローチの基礎的な情報は、国立精神・神経医療研究センター 認知行動療法センターでも公開されています。
将来への不安と向き合うことは、未来をすべて見通して安心することではありません。不確実なまま、それでもいまできることに一歩を踏み出してみること。それも立派なセルフケアです。つらさが強いときは、どうか一人で抱え込まず、専門機関の力も頼ってくださいね。
よくある質問
まだ起きていないことを心配してしまうのは、考えすぎでしょうか?
将来の不安を考えないようにするにはどうすればいいですか?
コントロールできないことばかりで、不安が消えません。
どのくらい不安が続いたら相談したほうがよいですか?
参考・出典
※ 本記事はセルフケア・教育を目的とした情報であり、特定の疾患の診断・治療を目的としたものではありません。つらさが強い・長く続く場合は、無理をせず医療機関や専門家への相談もご検討ください。