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不安が強いときはどうする?考え方を整理する方法を解説

記事のサマリ

不安が強いときは、不安を無理に消そうとするより、頭の中で渦巻いている考えをいったん外に出して整理することが助けになります。不安は危険を知らせてくれる自然な働きで、それ自体は悪いものではありません。「いま何を心配しているのか」を書き出して眺めると、考えが整理され、扱いやすくなっていきます。呼吸を整えるなど落ち着けるセルフケアも合わせると安心です。つらさが強く続くときは、専門機関への相談も大切です。

「考えはじめると不安が止まらない」「まだ起きていないことまで心配してしまう」。そんなふうに、不安に振り回されてつらくなることはありませんか。不安は誰にでもあるもので、じつは自分を守るための大切な働きでもあります。この記事では、不安が強いときに考え方をどう整理していくかを、はじめての方にもわかるように、ていねいにお伝えしていきます。

この記事で整理できること

  • 不安が生まれる仕組みと、その本来の役割
  • 考えすぎてしまうときに、頭の中を整理するコツ
  • 心配ごとを書き出すことの効果
  • 不安を無理になくそうとしないという向き合い方
  • その場で落ち着くためのセルフケア
  • 専門機関に相談する目安

そもそも、不安はなぜ起こるの?

不安は、これから起こるかもしれない困りごとや危険に「備えよう」とする、心と体の自然な働きです。

少し意外かもしれませんが、不安そのものは悪いものではありません。たとえば、大事な発表の前にそわそわするからこそ準備をしますし、暗い道で警戒するからこそ安全に気を配れます。このように、不安にはわたしたちを守ってくれる役割があります。

問題になりやすいのは、不安が必要以上に強くなったり、長く続いたりして、生活がつらくなってしまうときです。だからこそ、不安を「なくす」ことよりも、強くなりすぎたときに扱いやすくするという向き合い方が役立ちます。

理解を深める:認知行動療法とは?

どうして考えすぎてしまうの?

不安が強いと、同じ心配が頭の中で何度もぐるぐると巡りやすくなります。

これは、心が「なんとか危険に備えよう」とがんばっている状態でもあります。けれども、頭の中だけで考え続けていると、考えがどんどん大きくふくらみ、まだ起きていないことまで悪い方向に想像してしまうことがあります。

たとえば、「返信が来ない」という出来事ひとつでも、不安が強いと次のように考えが広がっていきます。

頭に浮かぶ考え不安の大きさ
何かあったのかな小さい
怒らせてしまったかも中くらい
もう関係が終わりかもしれない大きい

このように、考えが少しずつ極端な方向へ進んでいくことがあります。まずは「いま自分は考えを大きくしているかもしれない」と気づくことが、整理の第一歩になります。

詳しく知る:認知の歪みとは?10種類の考え方のクセを具体例で解説

書き出すと、なぜ落ち着くの?

頭の中で巡っている考えを、紙やスマホに書き出すと、考えが整理されて扱いやすくなります。

考えは、頭の中にあるあいだは形がなく、何度も同じところを巡りがちです。それを文字にして外に出すと、考えが目に見える形になり、少し離れて眺められるようになります。「自分は何を心配しているのか」がはっきりするだけでも、気持ちがすっとすることがあります。

書くときのコツは、うまくまとめようとしないことです。気になっていることを、思いつくまま箇条書きで並べるだけでかまいません。そのうえで、「本当にそうなると決まっているかな」「別の見方はあるかな」と書き添えてみると、さらに整理が進みます。こうした考えを整理する方法は、認知行動療法のワークとしても紹介されています。

実践する:思考記録表とは?書き方・記入例・テンプレート

不安はなくそうとしないほうがいい?

不安は、無理に消そうとすればするほど、かえって気になってしまうことがあります。

「不安を感じてはいけない」と思うと、不安を感じている自分を責めることになり、つらさが重なってしまいます。めざしたいのは、不安をゼロにすることではなく、不安があってもいい、と認めながら扱いやすくすることです。

「いま自分は不安なんだな」と、まずそのままを受けとめてみる。それだけでも、不安に振り回される感じが少しやわらぐことがあります。考えを整理する具体的な手順は、コラム法などのワークでていねいに紹介されています。

実践する:コラム法とは?考え方を整理する基本ワーク

その場で落ち着くには、どうすればいい?

不安で気持ちが高ぶったときは、いまの体の感覚に意識を向けると、少し落ち着きを取り戻しやすくなります。

考えを整理する前に、まず体を落ち着けたいときには、次のような方法があります。

  • ゆっくりと長く息を吐く呼吸を、数回くり返す
  • 足の裏が床に触れている感覚に注目する
  • 温かい飲みものを飲み、その温かさを感じる
  • 目に見えるものを、心の中で静かに名前をつけて確認する

これらは不安を消すための方法というより、高ぶった状態をやさしく整えるための手がかりです。働く人向けのセルフケアの情報は、厚生労働省のポータルサイトこころの耳でも紹介されています。自分に合うものをいくつか見つけておくと、いざというときに安心です。

不安が続くとき、相談の目安は?

不安が強く、生活や仕事に支障が出ているときや、つらさが長く続くときは、専門機関への相談を考えてみてください。

セルフケアはとても大切ですが、すべてを一人で抱える必要はありません。眠れない日が続く、何も手につかない、不安で動けない、といったときは、早めに相談することが自分を守ることにつながります。認知行動療法をはじめとする心理的なアプローチの基礎的な情報は、国立精神・神経医療研究センター 認知行動療法センターでも公開されています。

不安と向き合うことは、不安と戦って打ち負かすことではありません。不安があってもいい、と少しだけ自分にゆるしてあげること。それも立派なセルフケアです。つらさが強いときは、どうか一人で抱え込まず、専門機関の力も頼ってくださいね。

よくある質問

不安は悪いものなのでしょうか?
そうではありません。不安は、危険や困りごとに備えるために働く、誰にでもある自然な反応です。たとえば大事な予定の前に緊張するからこそ準備ができる、という面もあります。不安をゼロにすることをめざすのではなく、強くなりすぎたときに扱いやすくしていく、という捉え方が役立ちます。不安があること自体を責める必要はありません。
考えすぎてしまうのを止められません。どうすればいいですか?
頭の中だけで考えていると、同じ心配が何度もめぐりやすくなります。そんなときは、いま気になっていることを紙やスマホに書き出して、いったん外に出してみる方法があります。書くことで考えが目に見える形になり、整理しやすくなります。すべてを解決しようとせず、「気になっていることを並べてみる」だけでも十分な一歩です。
不安なときにすぐできることはありますか?
ゆっくりと長く息を吐く呼吸を数回くり返す、足の裏が床に触れている感覚に注目する、温かい飲みものを飲むなど、いまの体の感覚に意識を向ける方法があります。これらは不安を消す方法というより、高ぶった状態を少し落ち着けて、自分を整える手がかりです。自分に合うものを見つけておくと安心です。
どのくらい不安が続いたら相談したほうがよいですか?
不安が強くて眠れない、仕事や生活に支障が出ている、つらさが長く続いていると感じるときは、無理を続けず専門機関に相談することが大切です。相談は特別なことではなく、自分を大事にするための選択肢の一つです。どこに相談すればよいか迷うときは、公的な相談窓口の情報も参考になります。

次にできること

参考・出典

  1. 厚生労働省 こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト
  2. 国立精神・神経医療研究センター 認知行動療法センター「認知行動療法とは」

※ 本記事はセルフケア・教育を目的とした情報であり、特定の疾患の診断・治療を目的としたものではありません。つらさが強い・長く続く場合は、無理をせず医療機関や専門家への相談もご検討ください。