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5コラム法の書き方は?考えと感情を整理する方法

記事のサマリ

5コラム法とは、落ち込んだ場面を「出来事」「考え(自動思考)」「気分」「根拠」「別の見方」という5つの欄に分けて書き出し、考え方を整理する認知行動療法のワークです。3コラムに「根拠」と「別の見方」を加えることで、その考えが事実とどれだけ合っているかを確かめ、ほかの受け取り方を探せるようになります。頭の中だけでは気づきにくいクセが見え、気分の変化も点数で確かめやすくなります。診断や治療に代わるものではないため、つらさが強いときは専門機関への相談も大切です。

出来事と考えを書き出すことには慣れてきたけれど、そこから気持ちが少しラクになる感覚までは届かない。そんなとき役立つのが、別の見方を探す欄まで広げた5コラム法です。考えを裏づける事実と、ほかの受け取り方を順番に書くことで、もやもやが整理されていきます。この記事では、5コラム法の書き方を、手順と記入例を交えてはじめての方にもわかるようにていねいに整理していきます。

この記事で整理できること

  • 5コラム法の基本的な意味と、何のために使うのか
  • 3コラム法との違いと、加わる2つの欄の役割
  • 出来事・考え・気分・根拠・別の見方を書く手順
  • 仕事や人間関係を題材にした記入例
  • 無理なく続けるためのコツ
  • セルフケアとして取り組むときの注意点

5コラム法とは?

5コラム法とは、気持ちが揺れた場面を「出来事」「考え(自動思考)」「気分」「根拠」「別の見方」という5つの欄(コラム)に分けて書き出し、考え方を整理していく認知行動療法のワークです。コラム法のなかでも、まず気づくための3コラムから一歩進み、見方を広げる段階まで含めたのが5コラム法です。

頭の中だけで考えていると、とっさに浮かんだ考えを、そのまま事実だと感じてしまいがちです。5コラム法では、その考えを裏づける事実を確かめ、ほかの受け取り方がないかを探すことで、考えと事実を少し切り分けて眺められるようにします。書きながら整理していくこと自体が、こころのほぐれにつながっていきます。

基礎的な考え方は、国立精神・神経医療研究センター 認知行動療法センターでも解説されています。コラム法全体の位置づけは、コラム法とは?もあわせてご覧ください。

3コラム法との違いは?

5コラム法は、3コラム法に2つの欄を加えたものです。それぞれの役割を表で整理します。

種類欄の構成できること
3コラム法出来事/考え/気分自分の受け取り方に気づく
5コラム法上記+根拠/別の見方考えを事実と照らし、見方を広げる

3コラム法が「気づく」ところまでを支えるのに対し、5コラム法では「根拠」と「別の見方」が加わります。根拠の欄でその考えを裏づける事実を確かめ、別の見方の欄でほかの受け取り方を探す。この2つがあることで、考えを少し離れて見直せるようになります。まず気づく習慣をつくりたい方は3コラム法の書き方は?から始めると、無理なく5コラムへ進めます。

書き方の手順は?

ここでは、5つの欄を順番に書いていく流れを見ていきます。むずかしく考えず、思い浮かんだことを上から書くだけで大丈夫です。

  1. 出来事 — 気持ちが動いた場面を、事実だけ短く書く
  2. 考え(自動思考) — そのときとっさに浮かんだ考えを書く
  3. 気分 — わきあがった気分と、その強さを0〜100点で書く
  4. 根拠 — その考えを裏づける事実があれば書く
  5. 別の見方 — ほかの受け取り方はないかを考えて書く

ポイントは、3つあります。まず、出来事の欄には解釈を混ぜず、事実だけを書くこと。次に、根拠の欄では「そう感じた」ではなく、実際に起きた事実を書くこと。そして、別の見方を書いたあとに、もう一度気分の点数をつけてみることです。点数の変化を見ると、小さな手応えにも気づきやすくなります。すべての欄をきれいに埋めようとせず、書ける欄から書いていきましょう。

記入例は?

イメージがわくように、仕事と人間関係の場面を例に挙げます。あくまで一例なので、自分の言葉に置きかえて使ってみてください。

【仕事の例】 出来事:提出した資料に上司から修正の指示が複数入った 考え:自分は仕事ができない。期待されていない 気分:落ち込み 80点/不安 60点 根拠:直すところがいくつもあった 別の見方:丁寧に見てもらえた証でもある。直せば次に活かせるし、全部がダメだったわけではない → 気分:落ち込み 45点/不安 35点

【人間関係の例】 出来事:友人を誘ったら「また今度」と返ってきた 考え:避けられているのかもしれない 気分:さみしさ 70点 根拠:その日は断られた 別の見方:予定が合わなかっただけかもしれない。以前は別の日に会えたこともある → 気分:さみしさ 40点

出来事は同じでも、根拠と別の見方を書き出すと、気分の点数がやわらいでいることがわかります。記録として同じ形式で続けたい場合は、思考記録表とは?もあわせてご覧ください。

続けるコツは?

5コラム法は、続けてこそ受け取り方のクセに気づきやすくなります。とはいえ、欄が増えるぶん気負うと長続きしません。次のような工夫が役立ちます。

  • すべての場面ではなく、気持ちが大きく動いたときだけ書く
  • 別の見方が浮かばないときは、空欄のままでもよしとする
  • 「親しい人が同じ状況なら何と言うか」を手がかりにする
  • 書いたあとに「少し整理できた」と感じられたら十分

大切なのは、量よりも考えと事実を分けて眺める機会を少しずつ重ねることです。働く人向けの教材は、厚生労働省のこころの耳でも公開されているので、あわせて参考にしてみてください。

注意点は?

最後に、セルフケアとして取り入れるときに心にとめておきたいことをお伝えします。

  • 「正しい答え」を出すワークではない(見方の選択肢を増やすイメージで)
  • 別の見方を、無理にポジティブにしようとしない
  • うまく書けない自分を責めない
  • 気分の点数が下がらない日があっても、それで失敗ではない

5コラム法は、自分を採点するためのものではなく、自分の気持ちをそっと整理するための道具です。書いていてつらくなったときは、いったん手を止めて大丈夫です。つらさが強いときや長く続くときは、無理をせず専門機関への相談も大切にしてください。

よくある質問

5コラム法は3コラム法とどう違いますか?
3コラム法が「出来事・考え・気分」の3つを書き出して気づくことを中心にするのに対し、5コラム法はそこに「根拠」と「別の見方」の欄が加わります。考えを裏づける事実を確かめ、ほかの受け取り方を探す段階まで進めるのが大きな違いです。まず気づきたいときは3コラム、見方を広げたいときは5コラムと、目的に合わせて選べます。
別の見方がうまく思いつかないときはどうすればよいですか?
無理にポジティブな見方をひねり出す必要はありません。「もし親しい人が同じ状況だったら、どんな言葉をかけるか」と想像してみると、ほかの見方が浮かびやすくなります。それでも思いつかない日は、空欄のままでも大丈夫です。考えようとしたこと自体が、受け取り方に気づく一歩になっています。
気分の点数が思ったほど下がらないときは失敗ですか?
下がらない日があっても失敗ではありません。5コラム法は点数を下げること自体が目的ではなく、自分の受け取り方に気づき、見方の選択肢を増やすための方法です。点数が変わらなくても、考えを書き出して整理できたこと自体に意味があります。少しの変化に気づけたら、それで十分な手応えです。
5コラム法を毎日続けないと意味がありませんか?
毎日でなくても問題ありません。気持ちが大きく動いた場面があったときに書く、という取り入れ方でも役立ちます。回数の多さよりも、自分の考えと事実を分けて眺める機会を少しずつ積み重ねることが大切です。負担にならないペースで続けてください。

次にできること

参考・出典

  1. 国立精神・神経医療研究センター 認知行動療法センター「認知行動療法とは」
  2. 厚生労働省 こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト

※ 本記事はセルフケア・教育を目的とした情報であり、特定の疾患の診断・治療を目的としたものではありません。つらさが強い・長く続く場合は、無理をせず医療機関や専門家への相談もご検討ください。