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やる気が出ないときはどうする?小さく動くセルフケアを解説

記事のサマリ

やる気が出ないときは、「やる気が出てから動く」のを待つのではなく、ハードルをうんと下げて小さく動いてみることが手がかりになります。これは行動活性化と呼ばれる考え方で、ほんの少しの行動が気分をあとから動かしていくという見方にもとづいています。動けない自分を責める必要はありません。つらさが強い・長く続くときは、専門機関への相談も大切です。

「やらなきゃいけないのに、どうしても動けない」「気力がわかなくて、自分が怠けているように思えてしまう」。そんなふうに、やる気が出ない自分を責めてしまうことはありませんか。じつは、やる気には出やすいタイミングや仕組みがあり、それを少し知るだけで、動き出し方が変わってくることがあります。この記事では、やる気が出ないときのセルフケアを、はじめての方にもわかるように、ていねいに整理していきます。

この記事で整理できること

  • やる気が出ないときに起きていることの仕組み
  • 「やる気が出てから動く」ではなく小さく動く考え方
  • 行動のハードルを下げる具体的な工夫
  • 先延ばししてしまうときの対処のヒント
  • 動けない自分を責めないための見方
  • 専門機関に相談する目安

やる気が出ないとき、何が起きている?

やる気が出ないとき、わたしたちの中では「気力がわかない」だけでなく、考え方・気分・行動が、たがいに影響し合いながら止まってしまっていることがよくあります。

たとえば、「やらなきゃいけないのに動けない」状態が続くと、「自分はダメだ」という考えがわき、気分がさらに落ち込み、ますます動けなくなる——そんな悪循環に入ってしまうことがあります。ここで知っておきたいのは、やる気は「気合い」だけで決まるものではないということです。疲れやストレス、睡眠不足、気分の落ち込みなど、さまざまな要因が重なって、動きにくくなっていることが少なくありません。

だからこそ、動けない自分を責める前に、いまどんな状態にあるのかをやさしく眺めてみることが、最初の手がかりになります。この「考え方・気分・行動のつながり」という見方は、認知行動療法とは?の基本的な考え方ともつながっています。

「やる気が出てから動く」では、なぜ動けない?

結論からお伝えすると、やる気は「出てから動く」のではなく、「動いたあとに、あとからついてくる」ことが多いからです。

わたしたちはつい、「やる気が出たら始めよう」と考えてしまいます。けれども、気分が落ち込んでいるときほど、やる気は自然にはわいてきません。やる気を待っているあいだに、さらに気分が下がり、動きにくくなってしまうこともあります。

ここで役立つのが行動活性化という考え方です。これは、やる気がわくのを待つのではなく、できる範囲で先に小さく動いてみることで、気分があとからついてくる、という見方にもとづいています。「動けるようになってから動く」のではなく、「小さく動くことで、動けるようになっていく」と順番を入れかえてみる。それが、やる気が出ないときのセルフケアの中心になります。

働く人向けには、厚生労働省のポータルサイトこころの耳でも、ストレスへの対処やセルフケアの教材が紹介されています。

小さく動くには、ハードルをどう下げる?

小さく動くコツは、「これならできそう」と思えるところまで、行動のハードルをとことん下げることです。

やる気が出ないときに「部屋を片づける」「資料を仕上げる」といった大きな目標を立てると、その重さに圧倒されて、かえって動けなくなってしまいます。そこで、行動をばかばかしいくらい小さく分解するのがコツです。たとえば、次のようなイメージです。

大きすぎる目標ハードルを下げた一歩
部屋を片づける机の上のコップを1つだけ片づける
資料を仕上げるファイルを開いて、1行だけ書く
散歩をする玄関で靴を履いてみる

ポイントは、「終わらせること」ではなく「始めること」に目を向ける点です。1つだけ、1分だけ、で十分です。小さく始められたら、それはもう立派な一歩です。具体的な記録のしかたは、1週間セルフケア記録表を使う(無料ワークシート)も参考になります。

先延ばししてしまうときは、どうする?

先延ばししてしまうときは、自分を責めるよりも、「なぜ先延ばししたくなるのか」をやさしく見てみることが手がかりになります。

先延ばしは、怠けているからではなく、「失敗したくない」「うまくできないかもしれない」という不安や、その行動が大きく重く感じられることから起こりがちです。そんなときは、「とりあえず5分だけやってみる」と区切ってみる方法があります。5分で終えてもよい、と決めておくと、始めるときの心理的な重さがぐっと軽くなります。

また、「やったこと」を小さく書き留めていくのもおすすめです。できなかったことではなく、できたことに目を向けると、次の一歩が少し軽くなります。考え方の整理には、コラム法とは?のようなワークも役立ちます。どんなワークがあるかは、認知行動療法のワークには何がある?で整理しています。

動けない自分を、責めなくていい?

責めなくて大丈夫です。むしろ、自分を責めることは、やる気をさらに奪ってしまうことがあります。

やる気が出ないとき、「自分は怠けている」「みんなできているのに」と、自分を追い込んでしまいがちです。けれども、こうした自分を責める考えは、気分をさらに下げ、行動をいっそう止めてしまう方向に働きます。動けないのは、こころとからだが「少し休もう」とサインを出している状態かもしれません。

そんなときは、親しい友人が同じ状況にいたら、どんな言葉をかけるかを想像してみてください。「今日は動けなかったね、でも気にしようとしただけでも十分だよ」——そんなふうに、自分にもやさしい言葉をかけてみる。それも、大切なセルフケアの一つです。

やる気が出ない状態が続くときは、相談したほうがいい?

やる気が出ない状態が長く続いたり、生活に支障が出ていたりするときは、一人で抱えず、専門機関に相談することをおすすめします。

具体的には、次のようなサインが重なっているときは、こころの不調が背景にあることもあります。

  • やる気が出ない状態が2週間以上続いている
  • 眠れない、または眠りすぎてしまう
  • 食欲がない、または食べすぎてしまう
  • これまで楽しめていたことが楽しめない
  • 仕事や家事など、日常生活に支障が出ている

こうしたときは、無理に一人で頑張ろうとせず、医療機関や相談窓口に相談することが大切です。相談先がわからないときは、厚生労働省こころの耳に、さまざまな相談窓口の案内がまとめられています。認知行動療法について深く知りたい方は、国立精神・神経医療研究センター 認知行動療法センターの解説も参考になります。

早めに頼ることは、弱さではなく、自分を大事にする選択です。動けない日があっても、それはあなたが怠けているからではありません。小さな一歩も、休むことも、どちらも大切なセルフケアです。つらさが強いときは、どうか一人で抱え込まず、専門機関にも頼ってみてください。

よくある質問

やる気が出ないのは、自分が怠けているからですか?
そうとは限りません。やる気は気合いだけで出るものではなく、疲れやストレス、睡眠不足、気分の落ち込みなど、さまざまな要因の影響を受けます。動けないのは性格や努力不足の問題というより、こころとからだのサインであることも多くあります。まずは責めるのをいったん横に置いて、なぜ動きにくいのかをやさしく眺めてみることが、最初の一歩になります。
やる気が出るまで待っていてもいいですか?
やる気がわくのを待つのも一つの方法ですが、待っているあいだに気分がさらに下がり、動きにくくなってしまうこともあります。行動活性化という考え方では、やる気を待つのではなく、できる範囲で小さく動いてみることで、気分があとからついてくると捉えます。「ほんの少しだけ」から始めてみると、待つよりも動き出しやすくなることがあります。
小さく動いても気分が変わらないときはどうすればいいですか?
一度の行動ですぐに気分が大きく変わるとは限りません。小さな行動を少しずつ積み重ねていくなかで、ゆるやかに変化していくものと捉えると、無理なく続けやすくなります。変化が感じられない日があっても、動こうとしたこと自体が一歩です。それでもつらさが続くときは、無理をせず専門機関に相談することも大切なセルフケアです。
やる気が出ない状態が続くときは、相談したほうがいいですか?
やる気が出ない状態が長く続く、日常生活や仕事に支障が出ている、眠れない・食欲がないなどの変化が重なっているときは、こころの不調のサインであることもあります。そうしたときは、無理に一人で頑張ろうとせず、医療機関や相談窓口に相談することが大切です。早めに頼ることは、弱さではなく、自分を大事にする選択です。

次にできること

参考・出典

  1. 厚生労働省 こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト
  2. 国立精神・神経医療研究センター 認知行動療法センター「認知行動療法とは」

※ 本記事はセルフケア・教育を目的とした情報であり、特定の疾患の診断・治療を目的としたものではありません。つらさが強い・長く続く場合は、無理をせず医療機関や専門家への相談もご検討ください。