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ネガティブ思考が止まらないときはどうする?考えを整理する方法

記事のサマリ

ネガティブ思考が止まらないときは、無理に考えを消そうとするより、いったん頭の外に書き出して整理するのがおすすめです。同じ考えがぐるぐると繰り返される反芻は、誰にでも起こる脳のはたらきで、意志が弱いからではありません。考えと自分のあいだに少し距離をおき、事実と解釈を分けて眺めると、扱いやすくなっていきます。つらさが強い・長く続くときは、専門機関への相談も大切です。

頭の中で同じ考えが何度も再生されて、止めようとしても止まらない。夜になると不安がふくらんで眠れない。そんな「ぐるぐる思考」に疲れてしまうことはありませんか。じつは、考えがループしてしまうのには理由があり、その仕組みを少し知るだけで、気持ちとの向き合い方が変わってきます。この記事では、ネガティブ思考が止まらないときに考えを整理する方法を、ていねいにお伝えします。

この記事で整理できること

  • ネガティブ思考・反芻(ぐるぐる思考)が起こる仕組み
  • 考えが止まらなくなる理由と、自分を責めなくていい背景
  • 頭の中の考えを書き出して整理する具体的な方法
  • 考えと自分のあいだに距離をとる見方
  • うまくできない自分を責めないための向き合い方
  • 専門機関に相談する目安

そもそも、なぜネガティブ思考は止まらない?

ネガティブ思考が止まらないとき、その背景には「反芻(はんすう)」と呼ばれる、考えがぐるぐると繰り返されるはたらきがあります。

反芻とは、過去の失敗や気がかりなことを、頭の中で何度も再生してしまう状態のことです。これは特別なことではなく、誰の脳にも起こる自然な反応です。本来、わたしたちの脳には、問題を解決しようとして同じことを考え続ける性質があります。ところが、答えの出ない悩みや過ぎたことに対しては、考えれば考えるほど出口が見えず、ループだけが続いてしまうのです。

つまり、ぐるぐる思考は「考えを解決しようとする脳のはたらき」が、うまく着地できずに空回りしている状態だと捉えることができます。

考えが止まらないのは、自分が弱いから?

いいえ、止まらないのは意志の弱さではなく、脳の仕組みによるものです。

意外かもしれませんが、「もう考えないようにしよう」と思うほど、その考えはかえって頭に浮かびやすくなることが知られています。白いクマを想像しないでください、と言われるほど白いクマが浮かんでしまう——それと同じで、考えを押さえこもうとする力みが、逆にループを強めてしまうことがあります。

ですから、止められない自分を責める必要はありません。疲れているときやストレスが強いときほど反芻は起こりやすく、これは弱さではなく、誰にでもある反応です。働く人向けには、厚生労働省のポータルサイトこころの耳でも、ストレスへの気づきやセルフケアの教材が公開されています。

頭の中の考えを、どう書き出して整理する?

止まらない考えに対しては、頭の中だけで向き合うより、いったん外に「書き出す」ことが整理の第一歩になります。

頭の中で考えていると、同じ思考を何度もなぞってしまいがちです。そこで、浮かんでいることを紙やスマホにそのまま書き出してみます。このとき大切なのは、「事実」と「解釈」を分けて眺めることです。

書き出す項目
起きた事実会議で発言したが、反応が薄かった
浮かんだ考え(解釈)きっと変なことを言ってしまった
気分落ち込み・不安

こうして並べてみると、「反応が薄かった」という事実と、「変なことを言った」という解釈は、別のものだと見えてきます。考えを文字にするだけで、ぐるぐるしていたものが少し扱いやすくなります。

実践の手順を知りたい方は、コラム法とは?思考記録表とは?もあわせてご覧ください。

考えと自分のあいだに、どう距離をとる?

書き出したあとは、その考えを「自分そのもの」ではなく「いま浮かんでいる一つの考え」として眺めると、距離がとりやすくなります。

たとえば「私はダメだ」と浮かんだとき、それを事実として握りしめるのではなく、「私はいま“ダメだ”という考えを持っているな」と一歩引いて言いかえてみる方法があります。考えにラベルを貼って観察するようなイメージです。

考えは天気のようなもので、浮かんでは流れていきます。雨の日に「自分が雨そのものだ」とは思わないように、ネガティブな考えも、自分の一部ではあっても自分のすべてではありません。こうした見方は、とっさに浮かぶ考えの仕組みを知るとさらに理解しやすくなります。自動思考とは?もあわせてどうぞ。

うまく整理できないときは、自分を責めなくていい?

はい、うまくできない日があっても大丈夫です。整理しようとしたこと自体が、もう一歩前進です。

ネガティブ思考と向き合っていると、「こんなに考えてしまう自分はダメだ」と、考えていること自体をさらに責めてしまうことがあります。けれど、それもまた一つの考え方のクセかもしれません。少しの失敗を「全部ダメ」と感じたり、「〜すべき」と自分を追い込んだり——こうしたクセは認知の歪みとして整理されています。

うまく書けなくても、距離がとれなくても、それで十分です。「ちゃんと整理しなきゃ」と力が入りすぎたら、その力をゆるめることも立派なセルフケアです。自分にやさしい言葉をかけるところから始めてみてください。

つらさが続くときは、どこに相談すればいい?

セルフケアで扱いきれないと感じるときは、一人で抱えこまず、専門機関に相談することが大切な選択肢になります。

次のようなときは、相談を考える目安です。

  • ぐるぐる思考が強く、日常生活に支障が出ている
  • 眠れない・食べられない状態が続いている
  • 自分を強く責める気持ちが続いている
  • つらさが長く続き、自分だけでは扱いきれないと感じる

相談先がわからないときは、国立精神・神経医療研究センター 認知行動療法センターのような専門機関の情報や、お住まいの地域の相談窓口が手がかりになります。

考えを整理する方法は、自分を追い込むための道具ではなく、自分をラクにするための道具です。一人で取り組むことと、誰かに頼ることは、どちらも大事なセルフケアです。つらいときは抱えこまず、頼ってよいのだと覚えておいてください。

よくある質問

ネガティブに考えること自体がいけないのですか?
そうではありません。ネガティブな考えや感情には、危険を察知して自分を守る役割があります。問題なのは考えがあること自体ではなく、同じ考えがぐるぐると止まらず、つらさが続いてしまう状態です。めざすのは考えを消すことではなく、扱いやすく整理していくことだと捉えると、気持ちがラクになります。
考えを止めようとするほど、かえって止まらなくなるのはなぜですか?
「考えないようにしよう」と意識すると、その考えに注意が向き、かえって浮かびやすくなることが知られています。止めようと力むより、考えをいったん紙に書き出したり、別の活動に体を動かしたりして、注意の向け先をやさしく変えていくほうが扱いやすくなります。
書き出すと、よけいに落ち込みませんか?
頭の中だけで考えていると同じところを何度も巡りやすいですが、書き出すと考えが目に見える形になり、整理しやすくなります。最初は気持ちが動くこともありますが、事実と解釈を分けて眺めるうちに、距離をとりやすくなる方が多いです。つらすぎるときは無理に続けず、いったん休むことも大切です。
どのくらい続いたら相談したほうがよいですか?
つらさが強く日常生活に支障が出ているとき、眠れない・食べられない状態が続くとき、自分を責める気持ちが強いときなどは、一人で抱えず専門機関に相談する目安です。期間で一律に決めるより、自分がつらいと感じていることそのものを、相談してよい理由として大切にしてください。

次にできること

参考・出典

  1. 厚生労働省 こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト
  2. 国立精神・神経医療研究センター 認知行動療法センター

※ 本記事はセルフケア・教育を目的とした情報であり、特定の疾患の診断・治療を目的としたものではありません。つらさが強い・長く続く場合は、無理をせず医療機関や専門家への相談もご検討ください。