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認知行動療法は自分でできる?セルフケアで使うときの注意点

記事のサマリ

認知行動療法の基本的な考え方は、セルフケアとして自分で取り入れることができます。落ち込んだときの考えに気づいて書き出し、別の見方を探す、といった整理は一人でも始められます。本やワークシート、アプリを使う方も多くいます。ただし、考えを整理する範囲には限りがあり、つらさが強いときや一人で抱えきれないときは、無理をせず専門機関に相談することが大切です。自分で取り組むことと、誰かに頼ることは、どちらも大事なセルフケアです。

「認知行動療法は自分一人でもできるのかな」と気になったことはありませんか。本やアプリも増えていて、気軽に始められそうにも見えます。じつは、自分でできる部分と、一人ではむずかしい部分があります。この記事では、その境目をていねいに見ながら、セルフケアとして安心して取り入れるためのヒントを整理していきます。

この記事で整理できること

  • 認知行動療法を自分でできる範囲とその根拠
  • セルフケアとして取り入れやすい具体的な部分
  • 一人で取り組むときに気をつけたいこと
  • 向いている場合と、専門家に頼った方がよい場合の見分け方
  • 無理なく続けるための工夫
  • 専門機関に相談する目安

認知行動療法は自分でできる?

結論からお伝えすると、認知行動療法の基本的な考え方は、セルフケアとして自分で取り入れることができます。落ち込んだときに頭に浮かんだ考えに気づき、それを書き出して、別の見方がないかを探す。こうした「考えを整理する」流れは、一人でも始められます。

実際に、本やワークシート、アプリを使って取り組む方は多くいます。考え方のクセに気づく習慣は、特別な道具がなくても、紙とペンがあれば試せるものです。基礎的な解説は、国立精神・神経医療研究センター 認知行動療法センターでも公開されていますし、働く人向けには厚生労働省のこころの耳でもセルフケアの教材が提供されています。

ただし、「自分でできる」と「すべて一人でまかなえる」は、同じではありません。ここからは、その境目をていねいに見ていきます。

セルフケアとして取り入れられる範囲は?

一人でも取り入れやすいのは、主に「日々の考えを整理する」部分です。たとえば、次のようなことから始められます。

  • 落ち込んだとき、頭に浮かんだ考えを書き出してみる
  • その考えが極端になっていないか、やさしく問い直してみる
  • 「別の見方はないか」を一つだけ書き足してみる
  • 小さな行動を一つ、実際の生活のなかで試してみる

こうした「気づく・整理する・試す」の小さな繰り返しは、セルフケアとして無理なく取り入れられる範囲です。完璧にやろうとせず、気づこうとしたこと自体を一歩と捉えると、続けやすくなります。

実際に試す:コラム法思考記録表を使うと、この整理を書き出しながら練習できます。

一人でやるときの注意点は?

セルフケアとして取り入れるときに、心にとめておきたいことがいくつかあります。

  • 考えを無理に変えようとしすぎない(変えるのではなく、選択肢を増やすイメージで)
  • うまくできない自分を責めない
  • つらい記憶を深く掘り下げようとしすぎない
  • 書き出してかえって苦しくなるときは、いったん手を止める

とくに大切なのが、最後の一点です。考えを掘り下げることが、かえって負担になることもあります。それは取り組み方が悪いのではなく、いまは一人で扱う時期ではないというサインかもしれません。無理をしないことも、立派なセルフケアです。

向いている場合・専門家に頼った方がよい場合は?

どんなときにセルフケアが向いていて、どんなときに専門家と進めた方が安心なのか。目安を整理してみます。

セルフケアに向いている場合専門家に頼った方がよい場合
日々のストレスや考えすぎを軽くしたいつらさが強く、日常生活に支障が出ている
自分のペースで少しずつ整理したい一人で書き出すとかえって苦しくなる
気分の波を扱いやすくしたい落ち込みや不安が長く続いている

左側にあてはまるなら、セルフケアとして気軽に始めて問題ありません。一方で、右側に心あたりがあるときは、セルフケアだけにこだわらず、専門家と一緒に進める方が安心です。どちらが合うかは状況によって変わるので、必要に応じて相談しながら選んでいくとよいです。

続けるコツは?

セルフケアは、一度がんばるよりも、ゆるく長く続けることのほうが大切です。続けやすくする工夫を、いくつかご紹介します。

  • 時間を決めすぎず、気が向いたときに一行だけ書く
  • 「うまく整理する」より「書き出せたらOK」とハードルを下げる
  • できなかった日があっても、自分を責めない
  • 小さな変化に気づけたら、それを認める

「ちゃんとやらなきゃ」と力が入ってしまうと、それ自体が続かない原因になります。やさしいきもちで、できる範囲から続けてみてください。気づこうとした日が一日あれば、それで十分な一歩です。

相談の目安は?

最後に、相談を考えるタイミングについてお伝えします。次のように感じるときは、一人で抱えこまず、専門機関への相談も検討してみてください。

  • つらさが強く、長く続いている
  • 眠れない、食欲がないなど、生活に影響が出ている
  • 書き出しても、気持ちがまったく軽くならない
  • 一人で抱えるのがしんどいと感じる

セルフケアと相談は、どちらかを選ぶものではなく、両方を組み合わせてよいものです。一人で取り組むことと、誰かに頼ることは、どちらも大事なセルフケアです。一人で抱えこまないことも、大切にしてくださいね。

よくある質問

認知行動療法は本当に自分一人でできますか?
考え方を整理する基本的な部分は、セルフケアとして一人でも取り入れられます。本やワークシート、アプリを使って取り組む方も多くいます。ただし、すべてを一人でまかなえるわけではありません。つらさが強いときや、書き出してもかえって苦しくなるときは、無理をせず専門家に相談すると安心です。
本やアプリだけでも効果はありますか?
感じ方には個人差があり、一律にお伝えするのはむずかしいのが実際です。書き出して考えを整理する習慣そのものが、気持ちを扱いやすくする手がかりになる方もいます。大きな変化を急ぐより、小さな気づきを積み重ねるイメージで取り組むと、無理なく続けやすくなります。
一人でやっていて、逆につらくなったらどうすればいいですか?
いったん手を止めて大丈夫です。考えを掘り下げることが、かえって負担になることもあります。それは取り組み方が悪いのではなく、いまは一人で扱う時期ではないというサインかもしれません。つらさが続くときは、一人で抱えこまず専門機関への相談も大切にしてください。
どんな人がセルフケアに向いていますか?
日々のストレスや考えすぎを整理したい、軽くしたいという方には取り入れやすい方法です。一方で、つらさが強い・長く続くと感じるときは、セルフケアだけにこだわらず、専門家と一緒に進める方が安心なこともあります。どちらが合うかは状況によって変わるため、必要に応じて相談しながら選んでいくとよいです。

次にできること

参考・出典

  1. 国立精神・神経医療研究センター 認知行動療法センター「認知行動療法とは」
  2. 厚生労働省 こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト

※ 本記事はセルフケア・教育を目的とした情報であり、特定の疾患の診断・治療を目的としたものではありません。つらさが強い・長く続く場合は、無理をせず医療機関や専門家への相談もご検討ください。