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レッテル貼りとは?自分を一言で決めつけるクセを解説

記事のサマリ

レッテル貼りとは、一度の失敗や一面だけを取り上げて、「自分はダメな人間だ」のように、自分や他人を一言で決めつけてしまう考え方のクセです。行動への評価だったはずが、人格そのものへの決めつけにすり替わるため、必要以上に自分を傷つけてしまいやすくなります。気づいたときは、「決めつけた言葉」を「具体的な事実」に言い換えてみると、気持ちが扱いやすくなります。誰にでも起こるクセなので、自分を責める必要はありません。

プレゼンがうまくいかなかったとき、「準備が足りなかった」ではなく「自分はダメな人間だ」と感じてしまうことはありませんか。これは、行動への反省が人格への決めつけにすり替わってしまう状態です。性格が弱いわけではありません。この記事では、レッテル貼りの仕組みをていねいに見ながら、無理なくゆるめていくヒントを整理していきます。

この記事で整理できること

  • レッテル貼りの意味と心理的な背景
  • レッテル貼りが起こりやすい場面
  • レッテル貼りが強いと起こりやすいこと
  • レッテル貼りに気づくための視点
  • レッテル貼りをゆるめる具体的な方法
  • 関連するワークと注意点

レッテル貼りとは?

レッテル貼りとは、一度の失敗や一面だけを取り上げて、「自分はダメな人間だ」「自分は何をやってもうまくいかない人だ」のように、自分や他人を一言で決めつけてしまう考え方のクセです。認知行動療法でよく扱われる代表的な考え方のクセの一つに数えられます。

ここで起きているのは、「行動」への評価が「人格」への決めつけにすり替わる、という変化です。本来なら「今回の発表は準備が足りなかった」という行動の話だったのに、いつのまにか「自分はダメな人間だ」という、自分そのものへのラベルになってしまう。一枚の貼り紙が、自分の全部を覆い隠してしまうようなイメージです。

レッテル貼りは、どんな場面で起こりやすい?

レッテル貼りは、とくに次のような場面で顔を出しやすくなります。

  • 仕事で失敗して「自分は無能だ」と感じたとき
  • 人に頼みごとを断られて「自分は嫌われる人間だ」と思ったとき
  • ダイエットや勉強が続かず「自分は意志の弱い人間だ」と決めたとき
  • 誰かに強く叱られて「自分はダメな人間だ」と受け取ったとき

どれも、出来事は「一つの行動」や「一つの場面」にすぎません。それなのに、その一点だけで自分という人間まるごとに評価を下してしまうのが、このクセの特徴です。落ち込んでいるときや疲れているときほど、起こりやすくなります。

レッテル貼りが強いと、何が起こりやすい?

「一つの失敗=自分という人間の失敗」と感じやすくなるため、次のようなことが起こりやすくなります。

  • うまくいった部分や、これまでの努力が見えなくなる
  • 一度貼ったラベルが固定され、新しい挑戦をためらう
  • 「どうせダメな人間だから」と、行動そのものを止めてしまう
  • 自分への評価が下がり、気分の落ち込みが長引きやすくなる

ラベルは便利なぶん、いったん貼ると自分で自分の可能性を小さく見積もってしまうことにつながります。ただ、ここまで読んだ時点で「これは考え方のクセなんだ」と知ることができました。それだけでも、ラベルははがれやすくなります。

レッテル貼りに気づくには?

まずは、気づくことから始めます。頭の中に、次のような「人格を決めつける言葉」が浮かんできたら、レッテル貼りが顔を出しているサインかもしれません。

「自分はダメな人間だ」「自分は無能だ」「自分は何をやってもダメ」「自分は嫌われる人間だ」

ポイントは、主語が「行動」ではなく「自分という人間」になっていることです。「失敗した」ではなく「失敗する人間だ」と言い切っていたら、立ち止まってみてください。気づくだけで十分です。無理に打ち消す必要はありません。

レッテル貼りをゆるめるには?

気づけたら、次はやさしく言い換えてみましょう。コツは、「人格へのラベル」を「具体的な事実」に戻すことです。次のように書き出すと、見え方が変わってきます。

レッテル貼りの考え事実に戻した考え
自分はダメな人間だ今回の発表は準備の時間が足りなかった
自分は何をやってもダメ今回はうまくいかなかったが、できたこともある
自分は嫌われる人間だ今回は相手の都合が合わなかっただけかもしれない

「人間だ」と言い切る代わりに、「今回は」「この部分は」と、範囲を具体的にしぼってみる。それだけで、自分そのものを丸ごと裁く必要がなくなります。実際に試す:コラム法を使うと、この言い換えを書き出しながら練習できます。なお、認知行動療法の考え方の基礎は、国立精神・神経医療研究センター 認知行動療法センターでも解説されています。

レッテル貼りと向き合うときの注意点は?

最後にひとつだけ。レッテル貼りに気づいたとき、今度は「こんな決めつけをする自分はダメだ」と、新しいラベルを貼ってしまうことがあります。それでは、はがしたつもりが、また別の貼り紙を重ねていることになります。

あくまで、ラベルは気づいて、そっとはがしてみるものです。完璧にはがせなくても問題ありません。働く人向けの情報は、厚生労働省のこころの耳でも整理されています。そして、つらさが強い・長く続くと感じるときは、一人で抱えこまず、専門機関への相談も大切にしてください。

よくある質問

レッテル貼りと白黒思考はどう違いますか?
近い関係にありますが、注目するところが異なります。白黒思考は物事を極端な二択でとらえるクセを指すのに対して、レッテル貼りは「自分はダメ」のように人格そのものに一言の評価を貼りつけるクセを指します。白黒思考が強い人は、その極端さからレッテル貼りにもつながりやすい傾向があります。
反省とレッテル貼りは何が違うのでしょうか?
反省は「今回の準備が足りなかった」のように、特定の行動に目を向けて次に活かすものです。一方でレッテル貼りは、「自分はダメな人間だ」と人格全体を決めつけてしまい、次の行動につながりにくくなります。行動を見ているか、人格を裁いているか、が分かれ目になります。
他人にレッテルを貼ってしまうのも同じクセですか?
はい、同じ仕組みです。「あの人は冷たい人だ」のように、一度の出来事で相手の人格を決めつけてしまうのも、レッテル貼りの一つです。自分にも他人にも、一言のラベルではなく具体的な事実に目を向けると、見え方が少し変わってきます。

次にできること

参考・出典

  1. 国立精神・神経医療研究センター 認知行動療法センター
  2. 厚生労働省 こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト

※ 本記事はセルフケア・教育を目的とした情報であり、特定の疾患の診断・治療を目的としたものではありません。つらさが強い・長く続く場合は、無理をせず医療機関や専門家への相談もご検討ください。