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認知行動療法とカウンセリングの違いは?使い分けを解説

記事のサマリ

認知行動療法とカウンセリングは、どちらも心の支えになる方法ですが、得意とすることが少し異なります。認知行動療法は、考え方・気分・行動のつながりに注目し、具体的なやり方で受け取り方を整理していくアプローチです。一方でカウンセリングは、安心して話せる場で気持ちをじっくり受けとめてもらいながら、自分の理解を深めていく関わりを指すことが多いものです。どちらが優れているということではなく、目的や状況に応じて使い分けたり、組み合わせたりして用いられます。迷うときは、専門機関に相談しながら選んでいくと安心です。

「カウンセリングと認知行動療法って、何が違うんだろう」。心のケアを考えはじめると、こうした疑問にぶつかることがあります。名前は聞いたことがあっても、その違いや使い分けは意外とわかりにくいものです。この記事では、どちらが良い悪いという話ではなく、それぞれの特徴と上手な選び方を、ていねいに整理していきます。

この記事で整理できること

  • 認知行動療法とカウンセリングに共通する土台
  • 目的・進め方の違いを表で対比
  • カウンセリングが向いている場面
  • 認知行動療法が向いている場面
  • 二つを併用するという考え方
  • 自分に合う選び方の手がかり

認知行動療法とカウンセリングの共通点は?

まずは、二つに共通する土台から見ていきましょう。認知行動療法もカウンセリングも、つらさを抱えた人が、自分の状態を整理し、自分らしく過ごせるようになることを大切にしています。

どちらにも共通するのが、「安心して向き合える関係」を基盤にしているという点です。信頼できる相手や、落ち着いて取り組める環境があってこそ、自分の気持ちや考えにていねいに目を向けられます。この点で、二つは対立するものではなく、地続きの関係にあるとも言えます。

実際、認知行動療法も専門家との対話のなかで進められることが多く、広い意味でのカウンセリングと重なる部分があります。だからこそ、違いがわかりにくく感じられるのかもしれません。次の見出しで、その違いを整理していきます。

理解を深める:認知行動療法とは?

認知行動療法とカウンセリングの違いは?

ここでは、よく語られる一般的な特徴として、両者の方向性の違いを表で対比してみます。どちらにも幅があり、はっきり線を引けるものではありませんが、おおまかなイメージとして参考にしてみてください。

観点認知行動療法カウンセリング
主な焦点考え方・気分・行動のつながり気持ちや体験そのもの
進め方具体的なワークや課題を用いることが多いじっくり話を聴いてもらうことが中心
取り組む時間軸「いま・これから」に重きを置きやすい過去の体験にも幅広く目を向けやすい
自分でできる工夫セルフケアとして取り入れやすい関係性のなかで深まりやすい

ざっくり言えば、認知行動療法は「整理する道具」を一緒に練習していく色合いが強く、カウンセリングは「受けとめてもらう関係」のなかで自分を理解していく色合いが強い、という違いがあります。とはいえ、これはあくまで傾向の話で、現場では両方の要素が混ざり合っていることも少なくありません。

カウンセリングが向いている場面は?

では、それぞれがどんなときに力を発揮しやすいのかを見ていきましょう。まずはカウンセリングです。

カウンセリングは、次のような場面で支えになりやすいと言われています。

  • まずは気持ちをそのまま聴いてほしい、受けとめてほしいとき
  • 何に困っているのか、自分でもうまく言葉にできないとき
  • 過去の経験も含めて、自分をじっくり理解したいとき
  • 具体的な方法より、安心できる関係をまず求めているとき

頭の中が整理しきれていない段階でも、話すこと自体が整理につながっていくのがカウンセリングの特徴です。「まず誰かに話したい」という気持ちが強いときに、入り口として選ばれることがあります。

認知行動療法が向いている場面は?

続いて、認知行動療法が向いている場面です。

認知行動療法は、次のようなときに手がかりになりやすいとされています。

  • 考え方のクセに気づいて、受け取り方を整理したいとき
  • 具体的なやり方やステップに沿って取り組みたいとき
  • 日常のなかで使えるセルフケアの方法を身につけたいとき
  • 「いま」のつらさへの対処を、実際に試しながら進めたいとき

認知行動療法は、考え方・気分・行動のつながりに注目し、ワークなどを通じて「気づく・整理する・試す」を繰り返していくのが特徴です。うつや不安、ストレスへの対処など、さまざまな領域で効果が研究されてきたアプローチでもあり、その基礎は日本初の認知行動療法専門の研究機関である国立精神・神経医療研究センター 認知行動療法センターでも解説されています。

認知行動療法とカウンセリングの併用について

ここまで違いを見てきましたが、大切なのは「どちらか一方を選ばなければならない」わけではない、という点です。

実際には、二つを組み合わせて用いることもあります。たとえば、はじめはカウンセリングで気持ちをじっくり受けとめてもらい、少し落ち着いてきたら、認知行動療法の考え方で受け取り方を整理していく、という流れです。気持ちを支える関わりと、整理するための道具は、たがいに補い合う関係になりえます。

働く人向けには、厚生労働省のポータルサイトこころの耳でも、相談先やセルフケアに関する情報が幅広く紹介されています。どんな関わり方が自分に合うかを考えるときの、参考のひとつになります。

認知行動療法とカウンセリング、どう選べばいい?

最後に、選び方の手がかりを整理します。とはいえ、いちばん大事なのは「正解をひとりで当てること」ではありません。

迷ったときは、次のような視点が役立ちます。

  • いまは「受けとめてほしい」のか、「整理する方法を知りたい」のか
  • じっくり関係を築きたいのか、具体的に試していきたいのか
  • ひとりでも取り組めるセルフケアを求めているのか

どちらにも良さがあり、優劣をつけるものではありません。そして、自分に合う方法は途中で変わっていくこともあります。

選び方に正解はなく、その時々の自分に合うものを選んでよいのです。つらさが強い・長く続くと感じるときは、ひとりで抱えこまず、専門機関の窓口に相談することも、大切なセルフケアのひとつです。

よくある質問

認知行動療法はカウンセリングの一種なのでしょうか?
広い意味でのカウンセリングのなかに、認知行動療法が含まれると考えられる場合もあります。ただ、認知行動療法は考え方や行動に焦点をあてた具体的な進め方を持つ点に特徴があり、気持ちを受けとめることを中心としたカウンセリングとは少し方向性が異なります。重なる部分もある、近い関係と捉えるとわかりやすいかもしれません。
どちらを選べばよいか自分では決められません。
無理にひとりで決めなくて大丈夫です。何に困っているか、どうなりたいかによって合う方法は変わるため、まずは専門機関の窓口に相談し、状況を伝えてみるのがおすすめです。話すうちに、自分に合いそうな方向が見えてくることもあります。選ぶこと自体を専門家と一緒に考えてよいのです。
認知行動療法とカウンセリングは同時に受けられますか?
状況によっては、組み合わせて用いられることもあります。気持ちを受けとめてもらいながら、考え方の整理にも取り組む、といった形です。どのような組み合わせが合うかは一人ひとり異なるため、専門家と相談しながら進めると安心して取り組めます。

次にできること

参考・出典

  1. 国立精神・神経医療研究センター 認知行動療法センター「認知行動療法とは」
  2. 厚生労働省 こころの耳:働く人のメンタルヘルス・ポータルサイト

※ 本記事はセルフケア・教育を目的とした情報であり、特定の疾患の診断・治療を目的としたものではありません。つらさが強い・長く続く場合は、無理をせず医療機関や専門家への相談もご検討ください。